連載25回目は、東京都八王子市にある「ダイビングアドベンチャークラブ」代表の道方 貴文(#39920)様と今年入店の西山 大輔(#50579)様です。NAUIの次代を担う若きお二人から、熱きメッセージ!?です
今回「50周年企画」の原稿依頼をされたとき、正直「マジ!?ヤッター」と思いました。理由は、目立てるから(笑) しかし、そのことを先輩に報告した所、「師匠や他のインストラクターの先輩を差し置いてお前が載るなんて100年早えー!原稿依頼がきたのは誰のおかげか考えなさい。」と叱られ、言い掛かりだ…と思いながらも、そのとおりだ!と。錚々たるナウイメンバーが寄稿されている企画の重大さと歴史に残る企画に気付き、我に返りました。まず、NAUIから原稿依頼された理由は、「30歳の若い社長と新卒21歳の若いスタッフで店を運営している」から。何故、30歳で独立し、ダイビング屋を始めることが出きたのか?それは、偏に先代の社長であり、現在は沖縄で「青空ダイバーズ」の経営をされている岡部由人氏(NAUI#15140)のおかげ以外の何ものでもありません。私が18歳でダイビングを始めたときに指導してくれたのが、師匠である岡部氏です。それ以来、師匠の下でステップアップし、インストラクターになり、スタッフとして雇ってくださり、店が17年目を迎えた昨年、私に当店を譲って下さったのです。師匠の広い懐のおかげで今日の私があります。もう、師匠に足を向けて寝られません!!(笑)
今回の寄稿では、依頼理由にあるとおり、若い視点でダイビング業界、私たちの考えについて綴っていこうと思います。「バカ(若)者じゃの~」と思われる点も多々あると思いますが、若者の戯言!?という視点でご一読頂ければと思います。
店は、ごく一般的な都市型ダイビングショップだと思いますが、敢えて言うなら若いダイビング屋でしょうか。先にも述べましたが、スタッフが若手なこともそうですが、お客様の層も若いです。200人強のメンバー登録数から学生メンバー(60人)を抜かしたお客様の平均年齢は30.5歳、構成は10代3.7%・20代38%・30代38.8%・40代12.8%・50代5.2%・60代1.5%になります。特に今年は、新規顧客全体の内45%が25歳前後のお客様でした。スタッフの世代交代と共にお客様の層も若返ったという感じを受けております。そして、40代以降のお客様も嫌な顔をしないで若者が騒いでいる様子を微笑ましく見て下さっている様に感じております。何故、若者が集まる店になったのか?については恐らく学生ダイバーの活躍が大きいと思います。その学生ダイバーへの取り組みについては後で述べますが、1つは店に学生達をたむろ させています。お菓子を置いていたり、映画「海猿」見せたり(笑) 学生がいることによって店の雰囲気が明るくなりますから若者が若者を呼ぶシステムが自然と出来上がったのでしょう。
当店は東京都八王子市に店を構えており、学園都市として知られる八王子には多くの学生さんが住んでいます。その特色を活かし、当店では「学生ダイバー応援プロジェクト」と題して様々な学生さん向けのサービスを行っております。現在3つの大学のダイビングサークルからダイビング業務を委託されております。サークルによって活動は様々ですが、新入部員のNAUIスクーバダイバー講習を始め、月1回の日帰りツアー、春・夏・秋の合宿やステップアップ講習などを学生価格で請け負っております。岡部師匠の時代から数えると16年で延べ500人以上の学生ダイバーを育成してきました。
また、ダイビング業界への就職先の紹介もしています。現在、5名の当店出身のインストラクターが日本各地で活躍しています。私たちにとっては、育てた子供が親父と同じ仕事を志してくれている気持ちになり、とても嬉しいです。
学生サークルをお預かりするようになったきっかけは、いつも不意にやって来ます。フラッと来店した学生さん(ここが八王子ならではなのでしょう)に対して「大学でサークル作りなよ!サークル価格でダイビングに行けるよ。」と提案します。そして部長とトコトン飲む!そうして創部されたのが今年で5年目になった「MERダイビングサークル」です。私も西山も学生サークル出身のインストラクターですから、色々とアドバイスも出来ますし、気持ちも分かる。学生たちの良き先輩になれればと思っております。
特別な取り組みとしては、学生たちに当店のチラシ配りやポスティングを手伝ってもらい、バイト料の代りに「5回行えば日帰りツアー1回無料という提案をしています。お金が無い学生ダイバーにとっては嬉しいバイトのようで、中にはチラシ配りのスキルを極めた子もいます。他には、沢山ご飯を食べさせることかな~(笑)
ただ、学生をメンバーに取り入れることについては、否定的な意見をたまに聞きます。「金のない学生は要らない」など「うるさい」とか…。お金無くてよいんです。うるさくて大いに結構♪だって若いんだもん。学生が店に居ると、海に同行していると自然と笑顔になる。学生たちの飯の食いっぷりを見ているだけで元気になりますよ。お財布は痩せて行くけれども(笑) けれども、よいのです。そのおかげで店が活気づき、ご近所から「お前の店はいつも若い子ばかり居て楽しそうだね~。」と言って頂きます。そのおかげで、以前、毎日店の前を通る近所の60歳近いおじ様達2名を体験ダイビングにお連れしたこともあります。4年前のことなのに未だに、「あのときは楽しかった~」とおっしゃいます。というように年配の方からも親しまれる学生ダイバー、だから当店では学生を多く取り込みます。沢山奢ります!
半年ほど前、当メンバーさんから店のPRに使えるんじゃない?と提案され流行りのTwitterを始めてみました。
店ツイートとスタッフ個人でやっているツイートと2つ書いています。店ツイートの内容は店の営業案内や海情報がほとんど。時期になるとキャンペーンのお知らせを載せています。メンバーさんの反応は上々です。今のところツイッターを見てダイビングを始めてくれた方は居ませんが…。ツイッターを見て「今日は店開いているって書いてあったからきたよ」ってご来店頂く方が居られます。また、同じ八王子で商売をされている方からツイッター投稿で「当店にチラシを置きませんか?」と提案して下さり、置かせて頂いています。更に、その方が先日、当店のツアーにご参加くださいました。まだまだ、試行錯誤のツイッターですが、そうやって反響がある内は続けていきたいと思っています。個人のツイッターやブログでは、できるだけくだらないことを書くようにしています(笑) 「昨夜見た夢の話」や「足柄サービスエリアのトイレ清掃事情」…等(以前好評だった記事です)ダイバーってくだらないことが大好きな人種かな?って。道方ってこういう人間なんだなってことが分かってもらえれば…と思っております。
お暇なときに、良かったら見てください。
店ツイート | http://twitter.com/SCUBA_CLUB |
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道方ブログ | 「町のダイビング屋さん」 http://doho.sblo.jp/ ツイート http://twitter.com/dohodive |
西山ブログ | 「今日の大ちゃん」 http://daisuke50579.sblo.jp/ ツイート http://twitter.com/dn50579 |
ツアーブログ | 「海ダネッ!」 http://umidane.sblo.jp/ |
まだまだ今時の若いモンは…と言われる30歳道方と、もちろん言われる21歳西山が何を考えダイビング屋を営んでいるのか?を対談形式で綴ってみました。
Q,何故インストラクターになったの? | |
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西山 | 目指したのは大学3年生の頃。友達が就職活動している中で、イントラを意識し始め、好きなこと、自然にかかわること、海外に行ける。そのような仕事がしたいと思い決意しました。 |
道方 | 確かに、好きな事で飯が食えるというのは、とても幸せな事。自分の好きな海に潜って、海辺で食事して…昼寝して(安全運転のためですよ(笑))これが仕事だからね♪お客様に感謝です。俺のきっかけは…イントラってカッコイイ女性にモテるという理由(笑) でもね、モテるかどうかは別にして、カッコイイってことは大事だよ。自然豊かな海に潜るイントラがカッコ悪かったり、不潔だったらヤだもんね。カッコイイと言っても顔じゃなくてスタイルのこと。ダイビングスキルや服装など。俺もダイビングの師匠がカッコ良かったからイントラを目指そうと思ったし、今も目標にしている。そして俺らは今その立場にいるってことだからね。気が抜けないよ~。 |
Q,夏を振り返って | |
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西山 | 忙しかったです。正直、ここまで忙しいとは思っていませんでした。8月から9月中旬までの1カ月半でお休みが一日だけでしたから。更に、3日に1日は海。あっという間に過ぎてしまいました…。ただ、海に行ったときの写真を見るとお客様の笑顔がとても素敵で、よい仕事にめぐり会えたと思います。 |
道方 | お客様から「ダイビング楽しい~♪」って言われることがいちばんの喜びだね♪「どーだ!俺の海!面白いだろ~!!」って。俺の海じゃないけれども…そうやって言ってもらえることがインストラクションやガイディングの自信にもなるよね。安月給でもやり甲斐がある(笑) |
西山 | プライスレスだっ! |
Q,新米インストラクターの1週間 | |
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道方 | では、新人君の仕事内容を公開しちゃってください! |
西山 | 僕のですか!? ツアー前日は…ゲストの器材準備、ゲストに確認電話、海況チェック、車清掃 ツアー当日は…八王子からダイビングポイントまで往復運転、講習やファンダイブのガイド ツアー翌日は…器材干し、片付け、ツアーブログ更新 それ以外は…学科講習・サークルの学科講習の場合は大学に出張し行う・店内掃除・商品POP作り・月1回発行の会報誌作り・ツアー集客のために電話営業・商品発注・納品された商品の検品・来店されたお客様との接客・以前、当メンバーさんの働く美容室で開かれた「接客マナーセミナー」に参加させて頂いたことも。大変勉強になりました! |
道方 | 新米インストラクターは忙しい! |
Q,30年後のダイビング業界について | |
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西山 | ダイビングの価値を高めたい。友達の中には、「イントラって遊んでいるだけでしょ?」と否定的にみている人もいて、そいつらを見返したいです!たとえば、環境面では、海に潜ると野生生物を身近に感じられるから自然との共存についての意識。教育面では、ダイビングは人との勝負では無く、体験を共有するスポーツだし、人と人を繋げられるスポーツだから平和教育にもなる。こういった面を高め、中高の学校で授業に取り入れたい。「今日の体育の時間はダイビングです。」みたいに。ダイビングってまじめでカッコイイ!という世の中にしたいです。 |
道方 | セルフダイビングの普及。アメリカ的なのかな?今のダイビングは、まだまだ敷居が高い。イントラなしでは潜れなかったり、ステップアップが必要だったり。もっと自由に、友達同士だったり恋人同士だったり、会社の同僚と…等、気軽にレクリエーショナルダイバーだけでダイビングが出来ればダイバーは増えると思う。そのためにはダイバーのスキルアップは欠かせない。ナビゲーションやレスキュートレーニングは必至だね。そんな風に業界全体が変わっていればよいな。そして、リーダーシップの基準も強化。リーダーシップってプロだよ!プロ野球選手と同じプロ。簡単に取得出来ては、プロじゃない。せめて3点スキン脱着やベールアウトは出来ないと。スキンベールアウトもよいね。今の基準より高く上げたいね。あとは、ダイビングをテーマにした月9ドラマをキムタク主演でやらないかな~。ダイビング流行るよ! |
Q,今後の夢 | |
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西山 | 海外に、アメリカに店を出したいです!僕がこれまで培ってきたような学生ダイビングサークルを抱える店を作りたい。アメリカで「海洋調査探検部」(西山の出身サークル)を作りたいです。 |
道方 | 都市型ショップ超現地型。俺はこれが目標。都市型ショップでありながら、伊豆の海の情報にやたら詳しい。最近の都市型ショップをあまり伊豆の海で見かけない気がする。もちろん、それぞれの店のやり方があるからよいと思うけれども、俺はやっぱり伊豆の海が好きだな。八王子からの運転労力は大変だけれども、海が面白いもんね!同じ濁っていても伊豆の海をゲストに見せたい。そもそも、イントラを目指したのだって好きな海に潜りたいから。体験ダイビングばかりだったり、面白くない海で仕事したくないもん。折角、好きで始めたインストラクターという仕事、お金持ちになりたい、ラクしたい!なら違う仕事を選ぶよね。運転が大変になったら元気な若者に世代交代すればよい。そうして、ご老体は海辺に引っ込む、と。そして、これが俺の夢「海辺暮らし」。頑張れ西山!! 突然乱入してきたゲスト:だから、最近ドーホーは運転しないんだな。ご老体では!?アハハハ。 |
道方 | …。 更に、西山のアメリカ出店のために出資できるようにしたいね。そうしたら、視察のためにアメリカに何度も行かないとな~。セントラルパークでブルースウィリスのようにホットドックを食べる!これも夢(笑) そして、最後の夢「東京でいちばんのダイビング屋になりたい!」どの分野でもよいからダイビング屋でいちばん!八王子の田舎の店が「東京でいちばん」ってカッコ良くない!? |
以上、拙い文章を最後までお読み頂き、本当にありがとうございました。私たちはこれからも若造なりに、この業界で飯を食おう!と一生懸命精進していく所存です。どうか温かく見守ってください。最後に、ここまで育ててくれ、これからも沢山お世話になる(笑) 岡部師匠を始め当メンバーの皆様方、指導して下さる先輩インストラクターの皆様に感謝します。ありがとうございました!
道方貴文(#39920)・西山大輔(#50579)