連載第14回目は、フィリピン・セブ島の海に魅せられ脱サラ。NAUIインストラクターから、NAUIコースディレクターへ。現在では、セブ島に3つのダイビングサービスと、2つのリゾートホテルを経営する、
竹谷 六未氏(NAUI #15749)です。
NAUI50周年、および、NAUI JAPAN設立40周年、誠におめでとうございます。
NAUI、ダイビングを愛するものとして、私も大変うれしく思います。ダイビング業界、
NAUIの益々の発展をご祈念いたします。
今回、私ごとき若輩者に寄稿依頼が来て、正直驚いております。
私は、外国でダイビングを始め、外国でインストラクターとなり、現在、フィリピン・
セブ島でダイビングビジネスをしています。皆様と少し違った視点からの話をさせて頂ければ幸いです。
当初私が、所持していたC-カードはマイナーな団体のものでした。メジャーな他団体でステップアップをするには、オープン・ウォーターから再取得しなければ、いけない旨を説明され、一度はダイビングから遠ざかってしまいました。
その後、会社員として働いていた私は、フィリピンのセブ島へ行くことになりました。(そのときは、まさか、自分が一生この地で過ごすことになるとは夢にも思っていませんでしたが・・・) そこで、偶然NAUIインストラクターと話す機会があり、海への熱い思いとともに、夢であった、インストラクターを目指すよう、アドバイスをもらいました。
また、今持っている他団体のC-カードから、NAUIのアドバンス(以前はオープンウォーターⅡ)を取れると言ってもらい、NAUIの懐の深さを感じ、私はNAUI信奉者となりました。また、そのときの、セブの魚影の濃さには驚かされ、その後、すぐに会社を辞めて、セブ島へ行ってしまったことは言うまでもありません。
ITCを開催していたお店は、NAUI JAPAN所属では無かったので、日本語のテキストが少なく他団体のテキストなど、ダイビングに関連する書物を、片っぱしから読みまくりました。ITCは、NAUI US主催のものでしたので、日本語と英語の混合で、苦労しました。ITC10日間は、大変ではありましたが、有意義なもので、私はなんとか合格することが出来ました。ただ、3人の受講生のうち、合格したのは私のみと、日本同様、厳しいものでした。『最愛の人を任せられますか?』というNAUIの基準で判断されており、『クオリティ・ディファレンス』と言われる所以を実感させられました。
また、当時のフィリピンでのダイビングはかなりいい加減なものでした。事実、講習を全くしないで、C-カードだけを販売している悪い輩もたくさんいました。フィリピンで講習を受けてC-カードを取得することは、いい加減だから、止めた方がいいという通説があったくらいです。また、タンクの耐圧検査はしていない、空気は臭いなど、悪いことを指摘しだしたらキリがありません。(約20年前のフィリピンでの話ですので、今は、全くそんなことをありませんので、皆様ご安心を!)
この素晴らしい海のあるセブ島で、しっかりとしたダイビング講習を根付かせたいと思いました。そのために、インストラクターだけでなく、コースディレクターまで取得し、しっかりとした、正しい考えをもったインストラクターを養成しなくてはならないと考えました。今度は、コースディレクターを目指しました。CDW(コースディレクターワークショップ)を、まずシンガポールで、NAUIインストラクター100番台の方、そしてセブで当時USの会長からと2回も受けてしまいました。
その後、教材、保険の観点より、NAUI JAPANへも登録し、現在はNAUI JAPANとNAUI US両方で、コースディレクターとして活動しています。
フィリピンセブ島にて、エメラルドグリーン・ダイビングセンター(マクタン、サンタンダー、モアルボアル)3店舗を展開し、リゾートホテルとして、アネモネ・リゾートとルビ・リゾート・サンタンダーを経営しております。
また、セブの環境保全、ダイビングの安全保守などの目的で、セブ日本人潜水協会を同志と共に立ち上げ、現在副会長として活動しております。活動内容としては、サンゴの保護、オニヒトデの駆除、安全対策、水中清掃です。
またこれとは別に、随時、ご希望のお客様に、無料にて水中清掃にご参加頂いております。
今後も環境への取り組みは欠かすことが出来ません。
残念ながらダイビングをしていると、環境の悪化を目の当たりに体感出来てしまいます。
エコへの旗振り役として活動していくべきだと思います。
また、グローバル社会である現在、日本国内、日本人だけに目を向けていたのでは、取り残されてしまうと思います。私は、海外にいて、日米両方のメンバーとして活動していますが、ワールドワイドのネットワークをもっと強くしていくべきではないかと考えています。
以上、若輩者の意見ではありますが、このような考え方もあるのかと、感じて頂ければ幸いです。今後の皆様方、NAUIの発展を切に望んでおります。
竹谷 六未氏(#15749)