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連載コラム!

NAUI × ずかんくん

沢山知って、ダイビングを
もっともっと楽しんじゃおう!

はじめまして!このたび『ダイビング指導機関NAUI宣伝隊長』に就任いたしました!海の生き物大好き!イラストを描くのが大好き!ずかんくんです!
広い海にはどんな生き物たちが暮らしているのか?『沢山知って、ダイビングをもっともっと楽しんじゃおう!』をテーマに、毎回登場する生き物を変えながらお話していきます!

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ずかんくん

第23回 ずかんくんコラム 
「深海の海洋生物たち」(後編)

「深海の海洋生物たち」(後編)

<海産物の恵み豊かな日本海に、不思議な深海ゾーンあり!>

能登半島に囲まれた富山湾は、駿河湾、相模湾に続いて3番目に深い1,200mもの水深を誇ります。
大陸棚は1~3kmしかなく、海岸から10kmも離れると急激に深くなるのが特徴で、海面が深い藍色(あいいろ)に見えるので、「藍甕(あいがめ)」と表現されることもあります。天然の生簀と呼ばれる海産物豊かな富山県の海、富山湾を深く潜っていきましょう!
探査艇の明かりの先に、なにか美しく赤い髪のようなものがなびいています。
その正体を解析してみましょう。

<リモートロボ・Typeアビス解析>

「リュウグウノツカイ」 最大で体長11mのものが記録されています。
「竜宮の使い」の名前のとおりに、美しく優雅な姿をしており、赤い髪のように見えるヒレを持つため、その美しさから「人魚」のモデルともいわれています。
現在、硬骨魚類の中で最も大きく長いものが「リュウグウノツカイ」とされています。
敵に襲われる際、「トカゲのしっぽ切り」のように体を下半分、自分で切り離してそちらに獲物が気を取られているすきに逃げるといわれています。食性は動物プランクトンやオキアミです。
吸い込んで食べるためストローのような形になる、折りたたみ式の不思議な口をしています。
稚魚は大きくなるにつれて、徐々に深度100m~200mの深海中層に移動していくと考えられており、体の表面には「グアニン」というアミノ酸の板状の結晶がついていて、これが光を反射し銀色に輝きます。敵の目を欺く効果があるのかもしれません。

さらに海底には、人の頭のような生き物が並ぶように生息しています。
口のようなものも見えます、あの不思議な生き物は何でしょうか?

<リモートロボ・Typeアビス解析>

「オオクチボヤ」
大きさは10cmから20cmの手のひらサイズ。
生息深度は300~1,000m。
口だけある人の頭のような奇妙な姿をしています。
口のように見える入水孔(にゅうすいこう)から水ごとエビなどの獲物や、海水に含まれるプランクトンを取り込みます。
また流れに向かって大きく入水孔を開け、獲物を捕らえ、獲物が口に入ると、まるで食虫植物のように口を閉じて獲物を外に逃がさないようにします。
生きて採集されることは極めて稀です。

まさか漁場豊かな富山県の海に、深海生物たちの住む不思議なエリアがあるとは思いもしませんでした。
調査はこれで十分です、では地上へ戻りましょう。

「ド―――――――――――ンッ!!!」

大きい揺れと共に、探査艇が大きく揺れました!!!!
ずかんくんは慌てて探査艇に付いている観察窓から外の様子を伺います。

「トラブル発生!探査艇が何者かに襲われる」

すると、巨大なイカの触手のようなものが船体に巻き付き、見たことが無いような巨大な目がこちらをにらんでいます!急いで解析を行います!

<リモートロボ・Typeアビス解析>

「ダイオウイカ」
世界最大の無セキツイ動物で、最大の記録は体長13m。さらに大きな18mの体長のダイオウイカも存在すると考えられており、北欧伝説の怪物「クラ―ケン」はダイオウイカがモデルといわれています。
イカの仲間だが実はとてもまずいと言われている理由は、体内に塩化アンモニウムという物質を蓄えていて、そのために強烈なアンモニア臭がするため食べられたものではないとされています。
巨大な姿にも関わらず、短命で寿命は3年ほどと考えられています。
過去に富山湾での生きたダイオウイカの発見例があります。

「ミシミシミシ・・・・!!!」

変な音が聞こえます、どうやら巨大なダイオウイカが探査艇を腕で締め上げて破壊しようとしているようです!事態は一刻を争います。探査艇には、こういう時のために緊急ワープ機能が付いています。「時空転送装置Pro」とリンクポータル接続を行うことで、別の場所へ緊急ワープを行うことが可能なのです。
しかしシーラカンス先生が、その場合ワープ先としてどの場所へ出るかわからないから気を付けてほしいと言っていましたが、そんなことは言っていられません。
今がその時です!
「時空転送装置Pro」とリンクポータル接続し、緊急ワープ装置を起動!スイッチを押します!

「深海調査艇サブマリン6500Plus、緊急ワープ成功!」

<秘境・謎の熱水噴出孔エリア>

ワープは無事に成功したようですが、不思議な世界が観察窓の外に広がっています。外の環境を「リモートロボ・Typeアビス」で解析します。
ここは太平洋のガラパゴス諸島沖、水深2,500mの地点の様です。そして海底から煙突状の構造物「チムニー(熱水噴出孔)」が突き出していることが確認できます。
どうやら、煙突の先の筒のような部分から300度以上の熱水が噴出しているようです。噴出した熱水には有害な硫化水素やメタン、重金属などが多く含まれており、黒色になっていてまるで煙突からモクモクとでる煙のようです。

アビスの解析によると、黒色の熱水を「ブラックスモーカー」と呼ぶそうです。
極限環境下なのは観察しているだけでもよくわかるので、生物はとてもいないだろうと思っていたその時、熱水噴出孔の側面に何かわらわらと蠢く(うごめく)生命体を僕は見つけました!
アビスで詳しく解析してみましょう!

<リモートロボ・Typeアビス解析>

「チューブワーム(ハオリムシ)」
チューブ状の管に生息する不思議な生物で体長は数10cmほど。
体内に共生する微生物がチューブワームのための栄養を作っています。
口・肛門・消化管・肛門などの消化器官をもたず硫黄酸化細菌と細胞内共生をして、硫化水素を取り込んだのちに細菌に供給し、細菌は有機物を供給しています。

「ゴエモンコシオリエビ」
体長は5cmほど。
ゴエモンコシオリエビは沢山の胸毛が生えており、この胸毛にはバクテリアを共生させていて、熱水に豊富に含まれる硫化水素やメタンをエネルギー源とする2種類の細菌が付着しているという研究の成果があります。ゴエモンコシオリエビはそれらを食べて生活していると考えられています。

「ウロコフネタマガイ(スケーリ―フット)」
微生物を栄養源として生活しており、食道腺に棲む共生細菌たちが、熱水噴出孔から吹き出す硫化水素などの化学物質をエネルギー源として、栄養となる有機物を合成しています。
巻貝の仲間ですが、体表には硫化鉄の硬い鎧をまとっていため磁石を近づけるとくっつきます。また、「鉄のウロコ」は脚の表面から分泌される硫黄を含む物質と、周囲の熱水に含まれる鉄イオンが反応することで形成されると考えられています。
全ての動物の中で、体の大きさに対して最も大きい心臓を持っています。

熱水と共に有害物質が噴出し、周囲にたちこめるこのような場所で生物は存在しないと思っていましたが、「チムニー」の周辺には、体にバクテリアを共生させ、そのバクテリアに有害な物質を分解させ、それを自らのエネルギーとして活用し生きるといった、驚くべき生活術でたくましく生きる化学合成生物群集たちの神秘の姿を見ることができました。
さあ、名残惜しいですがそろそろ深海探査の旅も終わりです。
地上へと浮上し、「時空転送装置Pro」の力で日本へ帰りましょう。

(最後に)

深海探査を終え、無事に地上へと戻ってきました。
富山湾の深海でダイオウイカに襲われた時はどうなることかと思いましたが、今回の冒険の旅もこれでおしまいです。
陸上では無敵の支配力を誇る人間ですが、過酷な深海世界では、もろくはかない存在なのだということを改めて感じさせられました。
最後には熱水噴出孔エリアへ来訪することができ、探査艇の観察窓から、極限世界で、バクテリアを共生させてたくましく生きる素晴らしい生物たちを見ることができました。
太古の昔、地球に最初に誕生した生物は、熱水噴出孔の周辺に適応していたのかもしれません。彼らは極限環境に身を置きながらも、その地で適応し、命を繋いできた存在だったのかもしれません。
今回の旅では、ひょんなことから生命誕生の起源にまで、海洋世界の神秘に迫ることができました。
絶滅したと考えられていたシーラカンスが発見された時と同様に、熱水噴出孔の発見は、世界に衝撃を与えました。
まだまだ私たちが知らない秘密が、海には多く隠されていそうです。
どこまでも不思議な海の世界に思いをはせましょう。
今後も、ずかんくんの海洋生物コラムや、ダイビング体験を通じて広大な海洋へと興味を深めて頂けたら、とても嬉しく感じます。

<特別付録の楽しみ方>

  • ①まずは深海ワールド探検マップと深海生物シールを印刷しよう!
  • ②コラムを読みながら出会った海洋生物や道具シールをマップにある枠の中に貼って、探検記録として埋めていこう!
  • ③深海ワールド探検マップが完成したらずかんくんNAUI特別シールをマップ左下の特別シール枠に貼って、君だけの「深海ワールド探検マップト」の完成だ!
  • ※深海生物シール、ずかんくんNAUI特別シールは糊で貼っても市販のシールシートに印刷したものを貼ってもどちらでも構いません!自由にお使いください!

(2025年12月)