今から24年ほど前、私はプロ水中カメラマンになりたくて、ダイビング雑誌の情報欄を隅から隅まで眺めては“カメラマン募集”というフレーズを探しまくっていました。そんな瞳に光り輝いて飛び込んできたのが、当時NAUI JAPANで発行していた会報誌「BOUY(ブイ)」の求人情報でした。「BOUY」は雑誌ほどの厚さはないものの、グラフィックなページがあったり、海の情報が満載だったりと、今思えばしっかりと時間をかけて編集された見ごたえのある立派な冊子でした。
「カメラマン募集」という言葉にすがるようにNAUI JAPAN事務局に電話をかけ面接してもらいました。それまでに撮影してきたいろいろな写真を見てもらい(特に、海鳥が水中を羽ばたくシーンを捉えた珍しいカットを気に行っていただきました)それなりの評価をいただくことはできたのですが、「すでにカメラマンが一人いるので、すぐには雇えない」という返事でした。
その後あるきっかけからダイビング雑誌の専属カメラマンになり、世界中のダイビングポイントを潜り歩くようになりました。各地でいろんなインストラクターと出会うことになりましたが、そんな中で日本の海で活躍しているNAUIのインストラクターの方たちは、僕の印象では、黒い表スキンの渋いウェットスーツと黒の「ミュー」フィンを着けて、どんな海でもまるで平気な顔をして颯爽とガイドをこなしていくプロ中のプロ、というイメージが定着していきました。日本のダイビングインストラクターの方たちに誇りさえ感じるようになっていったものです。
3年後、雑誌の専属を離れフリーのカメラマンとなり、設立間もない(株)ナウイエンタープライズから、テキストとリーフレット関連の写真撮影の依頼をいただくという機会を得ました。その当時「BOUY」はすでに休刊になってはいましたが、別の形で正式にNAUIの仕事をさせて頂けることになったわけです。その後も(株)ナウイエンタープライズと日本信販(株)(当時の(株)ナウイエンタープライズ出資会社)の共同企画で、沖縄ロケにも行かせて頂いたり、最近はポスターに私の作品を使って頂いたりと、大きなご縁を感じております。
今後もますます、たくさんの良質なダイバーを育成され、ダイビングを通して生活の質と地球環境への意識の向上に貢献していただくことを願っております。
高砂淳二